アンジェ様の寝室でアンナヤの薄い本を見つけてしまったナーヤを見つけてしまったアンジェ様の話

アンジェ様の寝室でアンナヤの薄い本を見つけてしまったナーヤを見つけてしまったアンジェ様の話

アンジェ様~?(コンコン

…………。

……アンジェ様~? いらっしゃいませんか~?(コンコンコンコン

おかしいわね、シオンに聞いたらまだ寝室だって言ってたのに……。

(キョロキョロ……

は、入りますよ~……?

アンジェ様~……?

……いないじゃない。そもそも私ってここまで入っていいわけ?

何か罪で捕まらないわよね? って私が捕まえる側の保安官なんだけどね!

…………はぁ、ほんとに誰もいなさそう。

まったく~……シオンったらすぐに戻っちゃうし情緒もなにも――え、扉が開いてる……?

侵入者だとまずいわね、一度兵を呼んでから――。

んー、またしばらくしてから来てみましょう。

でもその前に……悪趣味だけどせっかくの機会だしぃ~、少しだけ少しだけ。

アンジェ様ったら普段どんな本を読んでるのかしら~っと。

……いま隙間から見えたポニーテールはナーヤ?

なんだ、ナーヤだったらなにも問題は――ってあの棚は!?

やっぱり分厚くて難しそうな本ばかりね……私には縁が無さそう。

あら、逆にこっちの棚は背表紙のない薄い本ばかりね……なにかしら。

へぇ~、かわいいイラスト。アンジェ様でもイラスト入りの本も読んだりするのね。ちょっと救われた気分。

ダメ、ナーヤそれ以上はダメなのよちょっと待ってその棚の後ろには――。

これって国民による自費出版物かしら?

生活安全課の同期がたまに話しているのを聞いたことくらいしかないけど……ん、この本の間に何か挟まって――

バサバサバサッ

『保安官の美人お姉さんに逮捕されたい』『没落貴族姉妹のスラム生活』『ナーヤの祝日』

え……アンジェ様のイラストと……まさか私?

……な、なによこれ。国民安全課の同僚から話だけは聞いたことがあるけど、国民の自費出版物ってやつかしら……?

どうしてこんなものがアンジェ様の本棚に、それもこんなに奥に……。

しかもこの内容って……おかしいでしょ。

後で本人に確認を――。

その必要はないわ、ナーヤ。

ア、アアアアアアンジェ様……ッ!?

いつからそちらに!?

ナーヤが自分の凌辱されている薄い本を読みながら羞恥に頬を赤らめつつも自然に手を下半身へ伸ばしたあたりからよ。

そんなことしていませんけど。

してよ! ほらこうやって!!(グググッ クチュクチュ

しませんよ! なにするんですか!

暴れないで観念しなさい、ナーヤより私の方が攻撃力は高いんだから!(グググググッ クチュクチュ

高いですけどアンジェ様は攻撃スキルないじゃないですか!

っていうかさっきからドサクサに紛れて変な擬音いれなくでくれます!?

ふふ、私は相手のスキルを誘発させられるのよ? それがどういうことかわからせてあげるわ!

ダメだ、完全に発想が薄い本の影響を受けすぎているわ。

うるさいわね! 弱化させるわよ!

(自費出版物ってほんと悪影響しかないみたいね……これはたしかに取り締まられるわけだわ)

 

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~2時間後~

 

はぁ、はぁ……ところでアンジェ様、いつまでこのようなことをお続けに……?

ナーヤが私の盾を破るまでよ!

(それはどういう……いや、そこに突っ込んだら負けね)

弱化と防御力低下のせいで全然勝負がつかないんですけど。私たちどう見ても相性悪すぎますって。

そんなことヤッてみるまでわからないじゃない!

(…………もうだダメだこの姫様)

 

 

その頃のシオン ~自室~

(姫はちゃんと眠りにつかれただろうか……)

(……保険として新刊もたくさん補充してきたのできっと大丈夫でしょう)

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